◆アナログからデジタルへと大きな変化の中でデザインのあり方もずいぶんと変わっていったのでしょうね。
1999年からグラフィックからWEBまで、トータルなマルチメディアデザインを業務として、企業の活性化に貢献することを目標として、WEBサイト制作のプロデュースを開始しました。 2004年海外ロケによるDVDムービー制作を受注することにより、WEBサイト開設、広告告知、カタログ印刷、新製品発表会イベントまでのトータルディレクション及びプロデュースを担当することになりました。これにより、ブロードバンド時代における足掛かりとしての実績を積むことができ、デジタル次世代への変革を可能にするカラーマネジメントに取り組むことができました。
◆カラーマネジメントとは?
カラーマネジメントとは、デジタルカメラやスキャナなどから取り込んだ画像を、モニターやプリンターなどの異なる出力デバイスを通じて同じ色で再現する技術です。わが社では、CCMS(クリエティブ・カラーマネージメント・システム)という基準を作って意図した色を正確に伝えることに取り組んでいます。 まずは、モニターとモニター、モニターとプリンター、そしてモニターと印刷との色を一致させるカラーマッチングが必要です。そのうえで、デジタルデータを標準化します。日本では、新聞用のジャパンカラーや(社)日本雑誌協会が定めたJMPAカラーが基準になっています。 ここまではカラーマネジメントのインフラですが、私たちはさらに、デザイナーならではのクリエイティブなカラー提案をすることで、クライアントにとって最大限のメリットを引き出します。それこそデザイナーの役割と責任だと思っています。
◆色の持つ役割はとても大切なものだと思います。一歩先をいくカラー提案をされることは、御社の優れたこだわりですね。 では、片桐さんにとって、デザインとは?
デザインとは、ある目標を達成するための計画と行動をカタチにすることですね。 経営もデザインです。生活そのものがデザインだと思いますよ。 たとえば、今日起きて、さあ何をしようかと考えますね。日常のルーティングワークもどうやろうかと無意識のうちに考えているでしょう。それがデザインです。こうなりたい、こうしたいという夢がありますね。それをどうやって実行していこうかと考える。そして行動を起こす。それらすべてが自分自身の人生をデザインしていることなのです。 生きていることすべてがデザインしていることだと思うのです。
◆それでは、私もデザイナーですね。(笑)
そうですよ。(笑) デザインはアートとは違うのです。アートは自分が発信源であり、共鳴を得られるかはわからない部分もあります。デザインは価値の共有なのです。伝えたい「モノ」や「コト」を伝えるべき相手に正確に、わかりやすく、最良の形で伝えることがデザインの役割だと思います。
◆デザインの著作権についてお伺いします。
まねることは、学ぶことにつながります。でも、知的財産権である著作物を模倣して権利を侵害する行為は許されませんね。
デザインにも著作権があります。さらに言えば著作権には著作財産権と著作者人格権があり、著作財産権は譲渡できますが、著作者人格権は譲渡できません。つまり、著作者が、「この作品は私が創りました」と表明する権利ですね。これは法律で守られています。 デザイナーは、まねることから作者の感動や情動の創り方に迫り、そこから自らの独創性を学んでほしいと思います。経営も、人生もまったく同じですね。学びを得て、人に感動を与えられるいい作品を創りたいものです。
◆Webサイト「竜玉堂」は、どのようなコンセプトで作られたのですか?
竜玉堂は、ロゴマークデザインサービスのサイトです。 ロゴマークを作るということは、その会社のブランドを作るための一歩です。 ロゴマークを製作していく過程で、自社のブランド・アイデンティティを再確認することができるでしょう。
ブランドを創っていくために大切な要素は、「愛」と「美」と「夢」です。この3つの要素を私は、「竜玉コンセプト」と呼んでいます。 この3要素を機軸にすすんでいけば、必ず会社も個人も上昇スパイラルを描いていけると思っています。 デザインは、人を元気にします。明るくします。勇気づけます。夢を与える大きな力があります。もっと経営資源として、取り込んでいただきたいと願っています。
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