勝電気工業の業務として、衛星放送の工事請負を拡大、その後分離、新会社にして2年間で北海道から沖縄県まで展開しました。しかし大手IT企業から機器設置 請負は、単一価格では採算が取れず、スケールメリットはあったものの、忙しさの割には利益が低いものでした。それに加えて、超多忙で体を壊してしまい、撤退を余儀なくされました。
この経験から、自社ブランド作りで価格決定権を持ち、商品流通は中小企業で実施できる商品開発をしようと考えました。
本業の中でできる事は何かを追求し、今までの仕事を分析ました。その中で、お客様に良かれと思っていた事が、実はご迷惑を掛けていたという事実に気がつきました。当社は、節電装置の販売では東北地方のトップクラスの実績を持っていましたので、節電の技術を活用した商品開発を考えました。まずは青森同友会のメンバーに声をかけ、異業種6社が集まり、それぞれの専門性を活かし、環境問題を解決する商品づくりのプロジェクトを立ち上げました。
10 年ぐらい前に、これからの中小企業はお互いの専門性を生かした企業連携で付加価値の高いものづくりが生き残れる条件だと教わりました。そして「社員10人 いたら、その仕事は9人でやり、1人に新しい分野の仕事作りをさせる。そうすれば、人件費を新たに懸けなくても新しいものづくりが出来る」ということを学びました。社員と会社、会社同士が共に成長しあうWIN−WINの関係を組める事業づくりをこれからもやっていきたいと思っています。
◆蛯沢さんが考える「いい会社・いい経営者」とは?
いい会社、いい経営者とは難しいですね、これは私にとっての永遠のテーマです。
それが出来たら一人前の経営者と云われるだろうけど、私はまだまだそこまではいっていません。(笑)ただ、勝電気も30年間地元に存在できたという事は、地域にとって必要な会社であった事だと思いますから、少しはいい会社の片隅に入るのでしょうか!(笑顔)
会社をつくることは誰でも出来るが、それだけではいい経営者とは誰も言ってくれません。私は中小企業家同友会に入るまでは、典型的なワンマン社長でした。今となれば恥かしい限りですが、私の所属している、青森同友会では、いい会社、いい経営者、いい経営環境を創るために、経営指針を成文化して、目的を明確にしながら学び合っています。まだまだ学びが足りないので、「10学び、6実践、3の成果を出す。野球選手でも3割バッターは一流でしょう、学びの3割を成功させましょうよ」。と云っています。
まあ!このくらいで勘弁してください。(笑)
◆御社では、とてもユニークな朝礼を毎日されているとお聞きしましたが、どのような朝礼でしょうか?
朝礼は理念の唱和と、一日のスタートは元気良く、にこやかに行こうとして「勝三唱」を実施しています。それは勝電気の「勝」、活力の「活」、己自信に対して一喝の「喝」、手を握り、前に突出し、「今日も一日元気に、勝!活!喝!!」と腕を引き、腰を振り、気合を入れてやっています。電気工事士は腰が丈夫でないとやっていけませんから、朝から腰を鍛える運動です。(笑)もう4年ぐらい実施していますが、「継続はクセになる」と言いますが、まさにそうです。講演や報告会をさせていただいた時に、参加者全員でやると皆さん大笑い、特に女性の方に「胸を大きく前に出して!男性にはお尻を引いて」と言うだけで大爆笑です。何事もいいと思ったら真似てみる、どうぞやって見て下さい、楽しいですよ(笑)
クセといえば、私は名刺交換をした人に48時間以内にハガキを出すことを自分のクセとしています。自分の中に一つクセを持って何か一つ実践いくことも大切だと思っています。
◆これからの夢をお聞かせください?
人間が生きていくためには、食が大事です。真の食とは人を良くすると云われていますが、今の食生活は経済優先の構図で成り立っている為、現実は程遠いものがあります。そのため食の質を高める事が重要です。食、人教育、環境、健康このキーワードで100年先の青森の自然を守る為の、共生できる社会を、仲間の中小企業の経営者たちと創ることです。地域を良くする為には、人を良くする事であり、その為には食を良くする事です。
仕事をとおして、3世代先の人づくりが地球を守ることにも繋がる事と思って、社会学の実践教育を60歳から、地域に落とし込む人生計画を実施します。
「出会いとご縁に感謝」