◆うつ病は近年ずいぶんと増えているように感じますが。
うつ病は現代社会の大きな課題です。うつ病休職者の社会復帰に関しては、周囲の理解と病気の治療・回復後の職場の環境が大きく影響します。うつ病対策は、大企業では既にカウンセラー制度が導入され、退職を回避する施策が実施されていますが、中小企業では手が届かないのが現状です。年々うつ病になる人が増え続ける中で、当事者間だけでは解決できない問題を両者の間に入り、サポート、提案をしていくことが、ストローク会の仕事の一つと考えています。心理カウンセラーの森本信夫が理事に加わり来年度は、新宿区との協働事業として、中小企業でのうつの復職支援の事業も計画しています。
◆企業は、精神障がい者の就労についてどのくらい理解がありますか?
企業が精神障がい者の雇用に踏み切る場合、会社のトップの考えや社内に熱心な推進者がいることが多いですね。2006年4月に障害者雇用促進法が改正されて、精神障がい者も実雇用率にカウントされることになりました。2008年「雇用促進法」の改正、また今後の「障害者自立支援法」の見直し等の今後の動きの中で、中小企業での障害者雇用の促進がよりはかられることでしょう。
私自身も、初めは自分でできるかなと思っていたことも、いろいろと工夫してみて、できるようになった経験をたくさんしてきました。株式会社ストロークで、精神障がい者とともに働く場をつくっていこうとやってきましたが、国の制度も変えて、障がいがあっても働きやすく、雇いやすくすることが必要です。その中で厚生労働省「精神障害者の雇用の促進等に関する研究会」の委員などもさせていただき、潟Xトロークの実践から、精神がい害のある人も種々の支援があれば働けることを訴え、障害者雇用促進法の中に特例ながら雇用率にカウントされる事になったわけです。
現在、NPO法人全国精神障害者就労支援事業所連合会の専務理事として、また独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が発行している月刊誌「働く場」の編集委員をして、企業に精神障がい者の雇用支援の理解を深めていただけるような活動もしています。
◆金子さんの夢は何でしょうか?
NPO法人全国精神障害者就労支援事業所連合会の専務理事をしているといいましたが、このNPO法人は、障がい者のある人を職場に受け入れている事業主の会です。精神障害者社会適応訓練事業という国や自治体の制度があります。この制度は、通院中の精神障害者で比較的症状が安定しているが、一般就労が困難な人に対して、社会復帰に理解のある一般の事業所に一定期間通い、就労への意欲、持続力、人づきあいなどの社会適応訓練を実際の職場で実施する制度です。訓練期間中は、協力事業所には委託料が、県によっては訓練者にも訓練手当てが支払われます。
私の夢というと、やはり障がい者が、安心して働ける社会づくりのため、活動を続けることですね。
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