◆社長の役割とは何でしょうか?
社長はリーダーですね。船でいえば船長です。船長は、長い航海の末にきちんと目的地にたどり着けるよう船の方向性を決めて進ませ、ずれてきたら軌道修正する必要があります。嵐や自然災害、海賊への対処も考えておかねばなりません。また、船員が最後まで無事に過ごせるよう、食料の補給や病気発生時の対応、精神面のケア、日常的なルールまで仕組みを作っておき、さらに、自分が事故等で働けなくなったときでも船の運航に支障がでないよう、次の船長も育てておかねばなりません。
いろいろとありますが、これらをすべて 1 人で十分にできるわけがないので、人に任せることが必要になります。社長の役割は、
衆知を集め、戦略(方向性)を決めること。
※小規模企業なら、企画・生産・仕入・販売・人事・財務等、部門ごとの戦略も含みます。
指導力を発揮し、適材適所で役割分担すること
だといえます。
◆ 経営コンサルタントの役割とは?
経営コンサルタントは、船長の判断が間違わないよう、客観的なデータ等をもとに助言して、きちんと目的地に着けるようにするのが仕事です。ですから、「目的地」と「現在地点」をしっかりお聞きし、最適な航路や運航していくうえでの仕組みを提案します。さらに、実施にあたって発生するさまざまな問題についても解決方法を提示して、ときには自らやってみせることも必要です。
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御社の社名のぶしどうマネジメントの由来は?
武士道ファンは私を含めて日本中に数多く存在すると思いますが、武士道といえば新渡戸稲造の『武士道』のイメージを持っておられる方がほとんどでしょう。私も武士道の入り口はそこでした。孔子の影響を強く受けたものですね。しかし、その後、中世の武士、特に武田信玄や豊臣秀吉など戦国武将の考え方、実践内容を見ていくうちに、むしろ、孫子や老子の思想に近いと思えてきました。日本人は、仏教、儒教など、大陸から伝わる思想を上手に取り込み、日本の風土に合わせる能力にとてもたけていますが、武士道もさまざまな要素を混ぜ込んで、日本風のものを作り上げていったのだと思います。
環境に適応しつつ、絶対に勝つ、あるいは絶対に負けない態勢を築くためにすべてを活用するのが、本来の武家の棟梁の思想でした。その中心にあるのは「勇気」です。「ぶしどうマネジメント」の社名には、経営者が武家の棟梁と同じように、「絶対に負けない」という気持ちで、「勇気」をふり絞って前に進むことを支援するという意味を込めています。「ぶしどう」とひらがなにしたのは、現代に合った武士道、しかも日本特有のものである点を表しています。
◆ 人気メルマガ「日経 MJ に見るマーケティングの戦略・戦術」を毎日配信されていますが、どのようなところに主眼を置いて書かれていらっしゃいますか?
基本的には、売り上げアップに成功したという記事を選び、その背後に隠された重要なポイントを読み解くようにしています。特に、商品コンセプトや顧客ターゲットをどう設定したのか、マーケティングプロセスはどう組み立てたのか、ツールやイベントに施した工夫は何かなどが大事な点になります。事例に学びつつ、自社では「どう相手を動かし、喜ばせるか」を考えるきっかけにしていただきたいと思っています。
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