【桜井】バイク便と防災関係事業を展開されている古澤さんは、宮崎のご出身ですが、大学生から東京ですね。
はい。そうです。高校までは日南海岸の近くで過ごしました。
◆学費はどうなさったのですか?
法政大学に入学と同時に新聞配達のアルバイトを始めるために品川の日本経済新聞の専売所に住込みで入りました。7ヵ月後に先輩の紹介で三鷹の小学校の警備員のアルバイトにつきました。学費は2つの給料で賄いました。
◆その時から自分の自立自助が身についていたのですね。 大学を卒業されてからは?
田舎に帰って両親の面倒をみるつもりで、宮崎の会社を受験したのですが、『あなたにふさわしい職場を見出しえない』という実に慇懃な手紙が来て、就職は失敗しました。どうしようかと考えていると次兄が、消費者金融の会社を作ったので3ヶ月ほど手伝ってくれというので入社しました。結局10年間勤務しました。
◆そのお仕事から学ばれたことは?
「人間は本当に信用できる」という自信です。
◆えっ?!それはどういうことからですか?
当時の貸付は、今のようにパソコンがあるわけでもなく、個人の借り入れのデータが 整備されているわけでもありませんでした。必要書類は健康保険証と給料明細書だけで、全く知らない人に15分ぐらいで融資を実行していました。でも、貸し倒れ率は約3%くらいで、97%のお客様は多少の遅れがあっても返済をされていました。これには大変驚きました。
◆バイク便を始められたきっかけは?
消費者金融時代に、別会社でバイク便の経験はあったのですが、当時、注文は殆んどありませんでした。消費者金融会社が倒産したのち、偶然テレビで流れた、新幹線や飛行機を使って全国に緊急に物を届ける「ハンドキャリー」の仕事を見て運送業を始めました。バイク便はその2年後にスタートしました。
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