【桜井】
村田さんが、カンボジアの児童買春防止のための活動をするきっかけになったことはなんでしょうか?
大学生の時に、初めてカンボジアを訪問しました。その際に孤児院に一週間程滞在したのですが、とても目が綺麗で学習意欲のある子ども達に出会い、心奪われました。その子たちと寝食を共にしたことで、生まれた国は違えども兄弟姉妹のように感じていました。
しかし、孤児院の所長から子どもたちの笑顔の裏にある事実を知らされました。「あなたが一番仲の良かった 13歳の女の子は、母子家庭で学校にも行けず、お寺でお坊さんの手伝いをしていました。また、12歳の男の子は、ここに来る前は農夫として重労働をしていました。今は二人共孤児院に来て学校に通えるようになりました」と所長さんは言っていました。
その後訪れた買春の被害にあった子ども達のためのセンターでは、 6 ヶ月前に売春宿から保護された 6 歳と 12 歳の姉妹に出会いました。 6 歳で売春ですよ!ショックでした。その子から、「あなたといるととても楽しい。ずっとそばにいてくれたらいいのに・・」と言われてとても愛おしく感じました。センターの所長は「あの子は、農村の貧しい家庭のためにやむをえず買春宿に売られました。でも客をとるのを嫌がったために、電気ショックを与えられながら働かされていたのです。だからここに来た時には、腕に沢山の傷があったのですよ」と言っていました。子どもがそのような状況に置かれなければいけない社会とは、いったい何なのか!と愕然としました。「このような子どもたちを、これ以上増やしてはいけない!」そう思ったのが児童買春を防止する活動を始めたきっかけです。
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では、大学に進学するときはどういう進路にいきたいと考えていたのですか?
中学生のときに一人の人が途上国で医療活動をしたり井戸を掘ったりすることで、その村に居る沢山の人が救われていることを知り、私もこのような活動に従事したいと思うようになりました。そのため、自然と「国際協力」を学べる学部を選びました。国連やNGOで活動されていた方が教授や助教授として教鞭と取っていたため、フェリス女学院を選びました。
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ご両親は、村田さんが活動することについては始めから賛成でしたか?
いいえ、反対でした。活動の大切さは、父親が昔からボランティア活動をしていたため、理解はしてくれましたが、自分の娘があまり治安の良くないカンボジアで活動することは、認めがたかったようです。
私は昔から言い出したら聞かない性格で、両親と進路のことでよくぶつかりました。「親は子供が自分の守れる範囲外に出てしまうことで心配になる。だからこそ、自分がどれだけ真剣に考えて行動しようとしているかを、きちんと説明する必要がある。誰も、子どもの幸せを願わない親なんていないし、自分の思うように生きて欲しいと思わないわけではない」と思い、親が機嫌の良い時に「私はこれにかけてみたいの!だから、応援して!」って・・・。最終的にはわかってくれました
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