【桜井】お生まれは長崎でいらっしゃいますね。
はい、18歳まで諫早にいまして、大学から単身東京に行き、卒業後はそのまま商社に入りました。当時は、女子大に入って、2年くらいは腰かけで働いて、結婚して専業主婦になろうと思っていました。その頃はまだ総合職のなかった時代で、男性の補佐的な仕事しかできず、結婚退職が当たり前でした。でも、その頃職場で仕事ができる!と思える人があまりいなかったように感じました。大企業の看板を背負っている人よりは、一人で事業を切り盛りしているそんな人に魅力を感じてしまったのです。
商社の人と結婚して海外駐在をして・・ということより、小さくともひとりでがんばっている人のほうがと思って、飲食業をやっている主人と結婚してしまいました。企業家マインドがその時からあったのかもしれませんね。(笑)
◆では、起業されたきっかけは?
私は主人の仕事を手伝う気持ちはまったくありませんでした。でも、家業でしたので、ご近所でもお嫁さんはみな家の仕事を手伝うのが当たり前だったのです。そこで、キャリアを必要とする仕事にかかわれば、主人の仕事を手伝わなくてすむのではと思って職探しをして、通訳・翻訳コーディネーターの会社に入りました。1995年にキャリアアップのために会社をかわりました。
私は思いっきり仕事に打ち込むタイプで、もう一度キャリアアップのために会社を移ろうと考えました。起業しようとは思っていなかったのですよ。でも、私には実現したいことがありまして、年齢的にも今だ!と思い、やめる2週間前に起業する決断をしました。
◆実現したいこととはどんなことですか?
通訳・翻訳業界はとてもニッチな業界で、全体でも3000億円市場くらいしかありません。
そのため、どんな仕事をしているかあまり知られていないのです。この通訳・翻訳業界の知名度を上げて底上げすることで、優秀な人がこの世界にもっと入ってきてほしいのです。
そのために、自分で起業しようと決断しました。主人にはすべて決まってから報告、そうしたら、びっくりして、でも「あなたは負けるけんかはしないから大丈夫!」と言ってくれました。(笑)
◆通訳・翻訳コーディネーターというのはどんなお仕事ですか?
通訳・翻訳の方は登録制です。弊社には2200名の登録者がおります。私たちコーディネーターは、その通訳・翻訳者が最高のパフォーマンスができるように、フォローしていく仕事です。いってみれば、黒子の仕事なのです。
この業界はかなり特殊な業界で、多分皆さんの周りにもあまり通訳や翻訳の仕事をしている人っていないと思います。
通訳・翻訳というのは、ただ文章を訳すのではなくて、相手の文化や相手の置かれている立場を理解して、言葉の裏にあるメッセージを汲み取って伝えるという仕事です。「言葉を情報価値にして相手に伝える」これが当社のミッションでもあります。私はそういうサービスを確立して行きたいと思っています。このミッションに賛同してくれる人に、登録してほしいと願っていますし、そう人たちと一緒に成長して行きたいと思っています。
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