中小企業の採用は、中途採用が主流だと思いますが、あえて新卒採用に力を入れているのは?
今までは、紹介で集まってきた社員が殆どでした。とても家庭的な働きやすい職場で、辞める人が殆どいませんでした。 2004 年春に、某人材採用コンサル会社の営業で新入社員が私に会いに来ました。国立大学を出たての優秀な女性でした。彼女とは、阪神ファンと言うことで気が合って、月一回スナックで阪神巨人戦の阪神を応援する会を作ったりしました。(笑)1年後、彼女が異動の挨拶に来ました。「長澤さん、私はこの1年さまざまな会社の社長さんにお会いしてきました。そのおかげで、社長さんを見れば伸びる会社か、伸びない会社かわかるようになりました」と言ったのです。そこで私は期待と自信を持って、「じゃあ、うちの会社はどうかな?」と聞いてみると、「私だったら絶対に入りたくない!なぜなら、長澤さんがいなくなったら、この会社の将来が見えてこない」と言われました。びっくりしましたね。これはショックでした。
10 年後 20 年後の会社が見えてこない限り、優秀なやる気のある社員は入ってこないだろう。後継者をそだてることが、社員の将来のためにも大切なことなのだと、改めて気づきました。別の人材採用コンサル会社から、「新卒の採用のお考えは?」という DM が届きました。話を聞いてみると、優秀な人材は教育では得られない、採用のところで優秀な人材をとることが重要だと聞かされました。これも驚きました。そこで、いい人材をとる秘訣とは、
優秀な学生から見て、入りたくなる会社→駅に近く、きれいなビル
優秀な学生から見て、良い社長→若い人が集まってくる社長
おお!それなら OK だ!と嬉しくなりました。ちょうど会社を移転したばかりだったのです。よかったですよ。(笑)
そこからですね、新卒採用へのチャレンジがはじまったのは。
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長澤社長は、学生の声に耳を傾けていらっしゃいますね。
2004 年に専修大学で臨時講師をしたことがきっかけで、そこで知り合った学生たちと〈藍塾〉を作りました。毎月テーマを決めて話をします。二回目のテーマ「君たちは生きる原点を持っているか?」これは今でも印象に残っています。メンバーは 50 人ほどになっているようです。この学生たちから、気付かされたことがたくさんあります。今の学生が働きたい会社は、大企業ばかりじゃない、本当に必要とされる会社で仕事をしたいんだってね。
去年から新卒採用を始め、今年の春 5 人の新入社員が入りました。今年の会社説明会には 3 名採用のところを、 128 名の参加があり、その 97 %が受験したのです。びっくりしました。 会社説明会で私は、「ウェルネスは小さい会社です。条件は悪いです。でも私と一緒にこの会社を輝く会社にしてほしい。あなたの力が必要です。一緒にウェルネスを作っていきましょう」と本音で話しかけました。
業界一位は社員にとって幸せでしょうか?会社の目標と社員の幸せは同じでしょうか?大切なのは社員にとっての幸せです。小さ会社だから心の通じ合えるんじゃあないですか。あなたたちではなくて〈あなた〉と〈私〉の関係を大切にしています。
◆ 学生さんからの採用に関するアドバイスはどんなことでしたか?
それはこんなことです。
落ちた人に、当社を嫌いにさせない。そのためには、薔薇の花を一本一次面接の後にプレゼントする。
謙虚さを持つこと。正直な会社だと思ってくれる。
本人の長所などは通り一遍でリハーサル済み。
そこで、一番大切な友人の良いところを聞く。これは無防備に話す。それによって、当人の価値観がわかる。
なるほど!と思いましたね。実際その通りに実行しました。おかげさまで優秀な学生を採用することができました。(笑)
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