◆このP2Mを学ばれて得られたことは?
P2Mを教えてくださった小原重信教授は、このP2Mの体系をまとめられて世界に発信された先生で、今まで私が学んできたプロジェクトの概念を超える広範囲なものの見方とお客様に事業価値を与えることがプロジェクトの目的であるということ、経営の基本を教えてくださいました。
もう一人の「ビジネス・アンド・システムインテグレーション」を教えてくださった武富為嗣教授はADL、ATカーニー、プライスウォーターといった一流のコンサルティングファームで活躍された現役のコンサルタントでP2Mを実践的に使って考える方法や、具体的なツールの使い方、企業戦略と競争戦略などについて本当に具体的にわかりやすくアドバイスして頂きました。
P2Mでは、プロジェクトをお客様の定常活動から事業価値を上げて次の定常活動を始めるまでの期間を限定した非定常活動と定義しています。その中で、構想を立てて(スキームモデル)しくみをつくり(システムモデル)お客様がシステムを使って付加価値を上げるためのサービスをどのようにしたら上手くまわせるか(サービスモデル)を考えます。
こういって見ると簡単に聞こえますが、我々はこのシステムモデルだけを請け負っていたので、いろいろな問題の本質に行き当たらなかったのだということもよくわかりました。
また、現代のビジネスにおいてITはもはや独立した産業として考えることが出来ないほど経営と密接な関係を持っています。戦略と経営などを学ばずして、こういったITの仕事の上流工程を行なうことはできないということなどを感じました。
小原先生には、いろいろなことを教えていただきましたが「経営はアートである。画家が数百円の絵の具で数百万円の絵を描く様に価値を創造する仕事が経営である」そんなふうに、先生がわかりやすく教えてくださらなかったらずっと経営というものを私は好きにはならなかったと思います。また、これらの考え方を実際の経営や組織、評価と結びつけることで会社の進むべき方向をわかりやすく社員に説明することが少しずつできて来たと思っています。
◆大好きな言葉または座右の銘は?
The best way to predict the future is to invent it.
未来を予測する最善の方法はそれを自分で創ること(アラン・ケイ)
◆最近、嬉しかったこと、感動されたことは?
ITのプロジェクトはQ(品質)C(コスト)D(納期)のトレードオフを管理してきちんと納品するとことがとても大切です。
ソフトウェアの開発では、短い納期で規模の大きなプロジェクトというのは、それだけで難しいものです。
最近のことですが、そういう難しいプロジェクトの中で担当のマネージャが「今まで、何度も湯野川さんがトラブルを収集するところに立ち会って一緒にやってきたけれど、自分でやってみてはじめてわかったことが沢山ある。大変だったけど、私は今のお客さんが大好きだし、大変だったけどそんなにつらくはなかった。だって自分の仕事だから」と言ってくれました。それまで、トラブルはできるだけ自分が肩代わりしてやることが彼らの為に最善だと思っていました。
しかし、たとえ、多少の問題はあったとしても、ひとりひとりが考えながら成長していくのだと、その社員の言葉とこの仕事から学びました。現在もこのお客様からは、とても厚い信頼を頂いています。信頼は、ひとりひとりの社員がお客様に対しての仕事をしっかりと積み重ねていくことで培っていくものだと思います。もっと社員を信頼して責任も一緒に背負ってもらってこそ、ちゃんとした会社になれるのだと教えられました。
◆ご趣味は?
旅行、温泉に行くこと。海外旅行も好きです。あまり行けませんけれど。会社を始めるまでは、温泉&スキーが趣味でしたが最近はめっきり、都内の温泉巡りが多くなりました。(笑)
◆10年後の夢は何でしょうか?
企業家としての夢は、人材資源管理のソフトウェアで企業と働く人をしあわせにするシステムを創りたい。私たちの目指す「お客様の満足と社員の幸せを両立する」ということは、私たちだけに必要な技術では無いと思っています。
ヒューマンシステムは、働く人とシステムが調和したお客様のビジネスを支えるシステムを創り続けていきたい。そして、使うお客様も作る社員もそれぞれが幸せであってほしい。そう思っています。
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