◆全ての経験がキャリアに繋がるということでしょうか。では「なりたい自分」を見つけるには、どうしたらよいのでしょうか?
「なりたい自分」を見つける道は・・・自分で自分を尊重することから始まるのではないでしょうか。
今、日本社会では、定められた正解や基準に基づいて減点式で評価されるという、「学校方式の呪縛」から、大人になっても抜け出せずにいる人が多いように思います。尊重されるべき人とは、「学校の成績が良い」「有名な企業に勤める」「高級ブランドを身につける」「給料の良い仕事に就く」「正社員である」などの条件を満たす人だという思い込みがあり、それを目指さなくてはならない、目指せないのはダメな人間だ、などと自分を追い込んでしまう事があります。
そんな風に、「なりたい自分」をだれかが決めた基準に頼るのは、一見「楽」ですが、その「楽」は基準を満たせなかったときのリスクを考えない「楽」でもあります。自分の転職でも経験しましたが(笑)そのリスクに直面すると、「楽」は一気に「苦」に変わります。
キャリア理論を学んで、「自己決定」の大切さに気づきました。「なりたい自分」は、自分自身で決めるべきものです。そして「自己決定」には「自己尊重」が不可欠です。他人の基準ではなく自分自身で決めた「なりたい自分」は、自分にとっての幸せとリンクします。だからこそ、困難にも予想外の展開にも負けず、その実現に向けて進んでいき、苦労を楽しむことさえできます。だから、自分自身を尊重することが不可欠です。キャリア支援とは、「自己決定」と「自己尊重」の支援でもあると思います。
◆古川さんが大切にしていることは?
人とのご縁です。思えば、桜井さんにお会いすることになったのも、人とのつながりによるものです。人材会社のキャリアコーディネーターをしていたころに出かけた勉強会で出会った方が、東京中小企業家同友会の例会で発表されると聞いて参加しました。その席でお会いした桜井さんが、「達人100講」への講師登録を勧めてくださいました。
その後、同友会に入会して、桜井さんご一緒に活動できるようになりました。それが、今回のインタビューにつながったと思うと、ご縁は本当にありがたいです。
◆御家族についてお伺いします。両立させるためには?
いつもスムーズにいっているわけではないのですが(笑)、同居することになった際、義母と夫と3人で、仕事や生活費について、ちゃんと話し合ったのが良かったと思います。
夫婦の間では、たくさん会話して、お互いを尊重する気持ちを持つこと、でしょうか・・・幸い、夫はよく話をしてくれる人です。全く違う仕事をしているのですが、お互いの話を聞くことで、専門性や将来像を尊重できるから、良い関係なのだと思います。愚痴になることもしばしばですが(笑)。
また、私たち夫婦は山歩きが好きで、常連になっている山小屋に、年8回くらいいっしょに通っています。会話の機会を持つためにも、共通の趣味があるのは良いことかもしれません。
◆最近で楽しかったことは?
2年前、公開研修の参加者有志の方々から発足した、「キャリ友」という集まりがあり、食事会や勉強会、見学や体験の会を月1回のペースで続けています。この夏は、メンバーの一人が所属する劇団の舞台を見に行きました。その劇団独特の世界観と、「キャリ友」メンバーの出演者が見せる別の一面が、実に味わい深くて楽しい体験でした。
今度、桜井さんが出演なさる「中小企業家劇団チームKITAYAMA」のお芝居も、このメンバーで観劇させていただきます。楽しみにしていますよ〜(笑)
◆大好きな言葉または座右の銘は?
好きな、というより自分で作った言葉は「幸せキャリア」です。
消去法や誰かの思惑を気にした結果ではなく、働く人自身が幸せを感じる仕事との関係性です。その仕事が大好きで就いた場合も、やっていくうちに仕事や職場が好きになる場合も、「幸せキャリア」は成立します。「幸せキャリア」実現のお手伝いが、自分の使命だと思っています。
座右の銘は「苦しい時が上り坂」です。
前の話と矛盾するようですが(笑)、苦しい経験を乗り越えることは、職務能力や人間性をレベルアップするチャンスだと思います。上り坂の先に、必ず「幸せキャリア」がある、と信じられるような世の中であってほしいです。
◆「幸せキャリア」素敵な言葉です。10年後の夢は何でしょうか?
10年後・・・キャリア教育と人材育成がちゃんとリンクするように、学校と社会をつなぐ活動をしていたいです。さらに欲張っていうと、今、研修などでお会いしている方々が、「幸せキャリア」を実践してくださっていることがわかる機会があれば、最高です。
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